髪を傷めるのは、熱と乾燥? -体質別に見る、髪と頭皮のケア-

髪を傷めるのは、熱と乾燥? -体質別に見る、髪と頭皮のケア-

hair stories — heat and dryness

髪質やダメージ、抜け毛や白髪に悩む方も多いと思います。

髪の悩みは、ある日はっきりと形になって現れます。でも実際には、その前から体質や環境、季節、様々な条件が重なり、蓄積した結果です。

アーユルヴェーダは、頭皮と髪を傷めるものを大きく2つに見ています。熱と、乾燥。そこに毛穴の詰まりが加わって、悩みの形が決まります。

なぜ、頭で起きるのか

熱は上にのぼります。食べものの熱も、日差しの熱も、怒りの熱も、行き着く先は頭。「頭に血がのぼる」という言い方のとおりです。

そして頭は、風が乱れやすい場所でもあります。考えごとが止まらない、眠れない、気持ちが落ち着かない。アーユルヴェーダはこれを風の乱れと見ます。風は乾かす性質なので、乱れれば頭皮も髪も乾燥していきます。

ストレスがやっかいなのは、この両方を同時に増やすからです。焦りは火を、緊張と不眠は風を煎る。忙しい時期の少しあとに抜け毛が増えるのは、気のせいではありません。

火がすること、風がすること

火は、焼くpitta

白髪は、髪の色を作る働きが熱で焼き切られた状態だと考えます。生え際と頭頂部から進む薄毛、地肌の赤み、黄色っぽい脂性のフケも火のサイン。「苦労すると白髪が増える」という言い伝えは、この考え方と重なります。

風は、痩せさせるvata

髪が細くなる、コシがなくなる、途中で切れる、パラパラした乾燥したフケが出る。頭皮がこわばって指が入らないのも風です。強いストレスのあとに一気に抜けるのも、こちら側。

詰まりは、塞ぐkapha

脂と汚れで毛穴が塞がれると、新しい髪が細くなり、根元が立ち上がらなくなります。そして塞がったところには熱がこもります。


体質別に見る、髪の傾向

乾燥タイプvata / 風

  • 細く量は少なめ。くせが出て広がる。ツヤは出にくい
  • 頭皮乾燥してつっぱる。粉のような細かいフケ、こわばり
  • 白髪全体にまばらに、細く混じる
  • 減り方切れ毛・枝毛から。途中で切れて短くなる

熱タイプpitta / 火

  • 細くやわらかい直毛。色素は明るめ。コシは強くない
  • 頭皮熱っぽく赤みが出る。黄色っぽい脂性のフケ
  • 白髪早い。こめかみ・前頭部から
  • 減り方生え際と頭頂部から。進みが速い

詰まりタイプkapha / 水

  • 太くて多い。重く、ゆるくうねる。ツヤがある
  • 頭皮脂っぽい。大きなフケ、毛穴の詰まり、におい
  • 白髪遅い
  • 減り方抜け毛は少ないが、根元が立ち上がらない

髪質でわかる、対策

乾燥タイプ ── 満たす

根元から抜けるのではなく、髪の途中で切れて短くなっていくタイプです。夜、温めたオイルを頭皮になじませてそのまま眠る。洗いすぎない、熱いお湯で洗わない。ドライヤーを近づけすぎない。そして寝る時間を一定に。風はリズムで鎮まります。

熱タイプ ── 冷ます

熱いシャワーを頭に長く当てない。夏は帽子を。辛いもの、揚げ物、お酒を控える。夜更かししない。そして怒りやプレッシャーを持ち越さない。感情も熱です。

詰まりタイプ ── 動かす

蒸らしてゆるめてから洗い、毛穴に残さない。指の腹で頭皮を動かす。汗をかく。甘いもの、脂っこいものを控える。頭皮が脂っぽいのに赤い、という状態がこれです。


なぜ、アーユルヴェーダは頭皮ケアにオイルを使うのか

頭に使うオイルには、昔から決まったメインのオイルがあります。ココナッツオイルか、ごま油。なかでも、冷やす性質を持つココナッツが選ばれてきました。

理由は、ここまでの話のとおりです。頭には熱が集まる。だからオイルで冷ましながら、同時に毛根に滋養を届ける。さらに油分そのものが、重く下に降りていく性質を持っていて、乾燥して浮ついた風を落ち着かせます。冷ます、養う、鎮める。この3つを一度にやってしまうのが、オイルというかたちです。

おわりに

夜、オイルを頭皮になじませて、そのまま眠る。その日にのぼった熱を下ろし、乱れた風を静める時間です。頭がゆるむと呼吸が深くなり、眠りに入りやすくなる。そして眠っているあいだに、髪は作られます。

今日の頭のケアが、将来の髪質や頭皮の状態だけでなく、精神的な状態にも影響してきます。アーユルヴェーダは数千年前からこの仕組みを読み解き、髪質の変化を予防してきたのです。知れば知るほど、面白く感じてきませんか?

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